暑い夏に負けない身体を目指そう

暑い夏に負けない身体を目指そう

コロナ禍の夏も3回目。毎日とても暑いですが、皆様は夏バテなどなくお過ごしでしょうか。

毎日暑いし、だるい、やる気が出ない、食欲がない、そのような方は、このコラムをぜひご参考に…。

 

夏バテと熱中症

夏バテと、気温の上がる時期になると注意喚起される熱中症

両者の違いについて考えてみましょう。

 

夏バテ

夏の暑さや湿度による体調不良の総称で、自律神経の乱れが原因の症状のことです。

 

夏バテは病名ではありません。

空調設備の整っていない時代では、体力低下や食欲不振が主な症状でしたが、

設備の普及した現代では、気温と湿度の急変により自律神経の乱れが起こりやすく、その結果、夏バテになるようです。

冷房や冷たいものばかりの飲食による冷え、偏食によるタンパク質やビタミンやミネラルの不足、ストレス、睡眠不足も原因になります。

身体の冷えから胃腸の働きが低下すると、さらに食欲不振になり、下痢や便秘、倦怠感も進行します。

 

*症状…食欲不振、だるさ・倦怠感、やる気の低下・無気力、

    下痢・便秘、頭痛、めまい・立ちくらみ、イライラ感など。

*対策…冷房などで身体を冷やし過ぎない。

    (除湿機能や扇風機、遮光カーテンの利用なども有効)

    栄養バランスを考えて、身体を温めるメニューを選ぶ。

    就寝12時間前に入浴して、副交感神経を優位にする。

    (身体をリラックスさせる)

 

熱中症

熱中症は、気温や湿度が高いことなどで、短時間に大量に汗をかいて、

体内の水分・塩分バランスが崩れたり、体温調節機能が働かなくなり引き起こされる症状の総称であり、病名です。

 

人の身体は、常に熱を作り出す一方、汗をかいたり、皮膚から熱を逃がすことで、体温の上昇を抑えています。

このような体温の調節機能がうまく働かなくなると、体内に熱がこもり、体温が異常に上昇し、熱中症が起こります。

重症化すると死に至る可能性もありますが、正しい知識と適切な行動で防ぐことができますし、応急処置を知っていれば命を救うこともできます。

 

熱中症の症状と重症度分類、対策

分類 症状 対策

Ⅰ度

(軽度)

めまい・失神
「たちくらみ」とういう状態で、運動をやめた直後に起こることが多い。脈が速く弱くなり、顔面蒼白、呼吸回数の増加、唇の痺れなどもみられる。

筋肉痛・筋肉の硬直
筋肉の「こむら返り」のことで、その部分の痛みを伴う。全身のけいれんはこの段階ではみられない。

意識 : 正常   体温 : 正常   皮膚 : 正常   発汗 : (+)

●涼しい場所に移動し身体を冷やす。

●衣類をゆるめる。

●経口補水液やスポーツドリンクなどを摂る。

●回復したと思っても後から容態が変わることもあるので、調子が変だと思ったら病院での診察を受ける。

Ⅱ度
(中等度)
 
頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・倦怠感・虚脱感・失神・気分の不快・判断力や集中力の低下、いくつかの症状が重なり合って起こる。
従来から“熱疲労”と言われていた状態。放置あるいは誤った判断を行えば重症化する危険性がある。

意識 : 正常   体温 : ~39℃   皮膚 : 冷たい   発汗 : (+)

●涼しい場所で身体を冷やす。

●自力で水分が摂れない場合は、すぐに救急車を呼ぶ。

●水分が摂れる場合は経口補水液を摂り休息し、様子を見る。

●回復したと思っても、後から容態が悪化することもあるので注意深く様子を見る。

●改善しない場合は救急車を呼ぶ、又は受診する。

Ⅲ度

(重度)

 意識障害・けいれん・手足の運動障害・おかしな言動や行動・過呼吸・ショック症状などが、Ⅱ度の症状に重なり合って起こる。
呼びかけや刺激への反応がおかしい、真直ぐ走れない・歩けないなど。

高体温
従来から“熱射病”や“重度の日射病”と言われていたものがこれに相当する。

●すぐに救急車を呼ぶ。

●救急車を待つ間

・無理に水を飲ませない。

・涼しい場所で休息。(衣類をゆるめ、足を高くして頭に血液を送るようにする。)

・身体を冷却。(血管の太い場所である首、わきの下、脚の付け根を冷やす。)

 

参照:

厚生労働省大阪労働局HP 熱中症の症状と重症度分類 | 大阪労働局 (mhlw.go.jp)

厚生労働省HP 熱中症予防のための情報・資料サイト | 厚生労働省 (mhlw.go.jp) 

 

 

まとめ

熱中症の初期症状や軽症ですと、夏バテかなと間違えそうですが、その時の環境(温度、湿度)などで判断はできると考えられます。

その日の体調不良はもちろん、1日中外で活動したり過酷な環境で過ごしたなど思い当たる節がある場合は、翌日以降もしばらく熱中症の症状が現れないか注意が必要です。

軽症の場合はしっかりと正しく対処すれば改善されますが、なかなか改善されなかったり、中等度以上の症状がある場合は受診するようにしましょう。

 また、この連日の猛暑で、自身が思うよりも身体には疲労が溜まっていたり、バランスが乱れていたりします。

日頃からこまめに水分補給や必要な栄養を摂り、夏バテにならないように無理はしない様に気をつけましょう。

コロナ禍第7波真っただ中の今、発熱外来など受診が難しい状況になりつつあります。

夏バテも熱中症も、まずは自身で予防することが重要ですね。