食べ物が身体をつくる

食べ物が身体をつくる

 前回は日本人の食事摂取基準から、毎日の献立について考えました。

今回は、その食事から得られる栄養素について着目してみたいと思います。

 

食べ物が身体をつくる

私たちの身体は約37兆個、約200種類の細胞からできていると言われています。

そのうち、平均すれば毎日1兆個近い数の細胞が新しく入れ替わっているのだとか。

たとえば、小腸上皮細胞は約1日、皮膚の細胞は約28日、赤血球は約120日で新しく生まれ変わり、その細胞11個に栄養素と酸素が必要なのです。

新しく生まれる細胞は、すべて私たちが食べたものが材料となっていますから、

食べ物が不足すれば、健康な身体をつくることも出来ず、生命活動を維持することも満足にできなくなります。

 

栄養素って?

健康のためには、 身体に必要な栄養素をバランス良く 摂ることが重要です。

カラダを動かすためのエネルギーを生み出すには、

3大栄養素である糖質・脂質・タンパク質が必要です。

しかし、この3つの栄養素だけ摂れば良いのではなく、

これらを効率よくエネルギーとして活用できるようにするには、

その他にビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素も必要です。

これらを含めて5大栄養素と言います。

 

タンパク質 は、アミノ酸からできている

身体を構成している体タンパク質は

毎日作り替えられています。

その作り替える過程である

燃焼・排泄で失われたタンパク質は、

食べ物によって補給されます。

 

 食べ物由来のタンパク質が

分解されて生じるアミノ酸と、

体タンパク質が分解されて生じるアミノ酸は、

区別なく混ぜ合わせて利用されます。

この利用のしかたをアミノ酸プールと呼びます。

 

ヒトのタンパク質を構成するアミノ酸20種類のうち、

私たちが体内で合成できず、食物から摂る必要のあるアミノ酸を

必須アミノ酸 といいます。

 

 

重要なビタミンB

私たちの生命は、食べ物を消化吸収し、栄養素を代謝し、

老廃物を排泄する『栄養』という営みによって支えられています。

3大栄養素からエネルギーを産生する過程をエネルギー代謝といい、

全ての細胞内で行われています。

 

ビタミンB群 は、糖質、脂質、タンパク質のエネルギー代謝
すべてに関わる重要なビタミンです。

 

エネルギー代謝とは
3大栄養素からエネルギーを産生する過程のこと

 

もちろん、ここで取り上げたアミノ酸やビタミンBだけではなく、

他のビタミンやミネラル、食物繊維など、さまざまな栄養素が

日々複雑な仕組みで私たちの身体を健康に維持してくれています。

毎日の食事から、私たちの身体は作られているという事を考えると、

偏った食事は健康な身体つくりには良くないことがわかりますね。

 

美味しいものが豊富にある時代ですから、カロリー摂取は出来たとしても、

必要な栄養素をバランスよく摂るのは難しいものです。

食事の度に栄養のことを考えるのは難しいですが、

1日単位、2、3日単位でも良いので、

できるだけバランスの良いメニューを心掛けたいですね。