5月に入り、春の空気から初夏の空気に変わってきました。
お天気の良い日は清々しく、梅雨や真夏になる前の行楽にもってこいの季節ですが、日本では紫外線が急激に強くなってくる季節でもあります。
紫外線とは
太陽の光には、ヒトの目で見ることができる光(可視光線)の他に、ヒトの目には見ることのできない赤外線や紫外線も含まれています。
地表に届く光の中では最も波長が短く日焼けの原因となる紫外線は、波長の長さでUV-A、UV-B、UV-Cに分けられます。
波長の最も短いUV-Cはオゾン層によって吸収されて地上には到達しませんので、特にUV-Bが人体に有害であると言われています。
紫外線が皮膚がんの原因になるのは、紫外線吸収によりDNAの損傷が起こり、突然変異を引き起こすからです。
また、目の疾患である白内障の原因にもなります。
紫外線は1年を通して地表に届いています。
季節、時刻、地域、場所や高度(平地、海、山など)といった様々な要因によって、降り注ぐ紫外線の量や強度は異なりますが、比較的影響が少ないと思われる日本の冬でも、夏に比べてUV-Bは約5分の1、UV-Aは約2分の1存在します。
そして春から増え始め、UV-Aは4~9月頃、UV-Bは7~8月頃にピークを迎えます。
また、1日の間では12 時頃に紫外線量が最大に増加します。
まだ暑くならない春先は油断しがちですが、
行楽シーズンだけにうっかり日焼けに要注意です。
紫外線の健康への影響
紫外線を適度に浴びることは、体内でビタミンDを合成したり、骨を強化する作用や細菌やウィルスを殺菌する作用など、必要な良い面もあります。
ただやはり、過度に浴びることは健康によくありません。
良くない影響として、太陽にあたってすぐにみられる急性障害と、長年にわたってあたり続けて現れる慢性障害に分けて考えられます。
急性障害では、皮膚に炎症が起こり、日焼け(サンバーン)として現れ、ひどいときは水ぶくれになって皮がむけたり、赤く腫れあがったりします。
また、紫外線による角膜炎など眼への影響もあります。
慢性障害では、皮膚がんや白内障になりやすかったり、皮膚のしわやしみなどの原因となったりします。
紫外線の肌への悪い影響 イメージ
紫外線防止の基本
日常の生活において、紫外線を100%避けるのは不可能です。
できる限り紫外線を浴びない様に日傘や帽子、長袖のシャツやサングラスなどを利用し、季節や行動にあわせて日焼け止め化粧品を活用する事によって、紫外線からの光老化を軽減させることができます。
紫外線防止用化粧品の効果の目安
また、身体の内面からの紫外線対策として、日焼け予防、対策に必要な栄養素を摂ることも大事です。
ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素を抑える効果があります。
ビタミンEも抗酸化作用が高く、ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が期待できます。
また血行をよくし、新陳代謝を高める働きもあるので、日焼け後には摂りたい栄養素です。
さらに、ホルモンバランスを整えるなど、美容の面からも大切な栄養素でもあります。
ビタミンAは抗酸化作用に加え、乾燥肌の予防や、免疫力も高める高価が期待できるので、日焼け後の疲れた体に必要な栄養素です。
トマトに多く含まれるリコピンも抗酸化作用が高く、活性酸素に対する抗酸化力が期待できます。
さらに、メラニン生成を抑える効果も期待できるので、日焼けが見込まれる日には、肌へのダメージを回復に導く大切な栄養素として積極的に摂りたいですね。
また、ルテインやゼアキサンチンを含む食品(黄色や緑の色素を持つ食材=ほうれん草、ブロッコリー等)を積極的に摂って、光刺激から眼も守りたいですね。
通常、肌のターンオーバー(肌の生まれ変わり)が正常であれば、日焼けによる色素沈着は次第に薄くなっていきます。
しかし、肌の機能低下や間違ったケアを行っていると、日焼けが長期間残ってしまう原因となり、それがシミとして定着してしまうこともあります。
一般的に、ヒトの見た目の老化の原因は、加齢によるものが2割、紫外線を浴びる事が原因の光老化が8割と言われています。
身体の内面も外見も健康であるためには、日頃からストレスを溜めないように心掛け、規則正しい生活とバランスの良い食事を摂ること、紫外線を浴び過ぎないようにすること、日焼けによる炎症は早めに抑えることが大事なんですね。