前々回、前回のコラムでは免疫機能を整えることについて考えました。
私たちの身体には、細菌・ウィルス・寄生虫などの感染性微生物やその他様々な異物などから身体を守るように働く複雑な仕組みが備わっていて、それを免疫というのでしたね。
では、その免疫の機能に異常が起きたとき、どのような病気が引き起こされるのでしょうか。
免疫機能が正常に働かないとどうなるの?
最近では、免疫力を高めるなどの言葉をよく耳にしますが、健康を維持するには、免疫機能がちょうど良い加減で正常に保たれることが第一です。
ざっくり例えると、
免疫機能が強く働き過ぎるということは、
本来は戦わなくてもよいところで独り相撲をしている状態、
逆に免疫機能が弱く上手く働かないということは、
本来は自分の力で勝てるはずの相手でも負けてしまう状態になっていると言えます。
免疫機能は強すぎても弱すぎても良くないのです。
アレルギーとは?
免疫機能の働きが異常を起こして、本来は排除しなくてもいい食物や花粉などに対して過剰に反応し、自分の身体に対して悪い方向に働く状態が『アレルギー』です。
主な原因は現代の環境や生活様式の変化などと考えられています。
アレルギーには、アレルギー性鼻炎(花粉症を含む)、気管支喘息(ぜんそく)、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎、薬剤・昆虫アレルギー、食物アレルギーなど、
多種多様な病気があります。
アレルギー疾患は年々増加しており、「リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」によると、
アレルギー疾患の患者は2005年では日本人の約3人に1人でしたが、2011年時点では約2人に1人と、大幅に増加しているそうです。
自己免疫疾患とは?
身体を守るための免疫が正常に機能しなくなる病気には、アレルギーの他に、『自己免疫疾患』があります。
無害な自分の身体の一部を異物とみなして攻撃してしまう病気です。
自己免疫疾患になってしまう理由はまだ解明されていませんが、
男女での羅患率は女性の方が明らかに高く、男性の2~10倍になります。
自己免疫疾患でみられる症状は、身体全体に及びます。
症状の例として、手足が腫れたり、傷んだりしてしまう関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの膠原病(こうげんびょう)、バセドウ病、1型糖尿病などがあげられます。
農林水産省HPより
計3回のコラムで免疫機能や自律神経についてとりあげましたが、いかがでしたでしょうか。
自分の意志では調節することは出来ないものですが、心身の健康のために日頃から少しでも心掛けたいことに意識が向いたように思います。
栄養バランスの取れた食事と適度な運動、休息が大事だと、時折思い出して頂けると幸いです。